当事業の起業のご支援を受けました東京都の「TOKYO創業ステーション」でプレゼンテーションを行ってきました。
全く違う業種の、様々なビジョンを持った方々が、自分の人生を振り返りながらキャリアを棚卸して、夢を形にしていくプロセスをご一緒させていただきました。
社会的な認知度も低く、相互性のある職種は皆無で、早い段階でキャリアのどん詰まりになるこの仕事、胚培養士。
自分が事業を立ち上げられるなんて思ってもいませんでした。
そこには「自分ではわからない魅力がある」ということを、ピアコーチングという手法で気づく、というプロセスを経てたどり着いた「私なりの強み」がありました。
今回は不妊治療の話とはちょっとそれて、そのお話をしたいと思います。
目次
自分を客観視することの大切さ
私の「強み」についての気づき
これからは「自分の強み」をシェアする時代
1. 自分を客観視することの大切さ
私は製薬系企業で抗がん剤開発にも関わりましたが、キャリアの多くを胚培養士として過ごし、気が付くと、人間関係が不妊治療業界で完結していました。
自分のキャリアに不安を持っても、ロールモデルはいないし、相談相手も状況は一緒。
一向に未来を描けない自分のキャリアに閉塞感しか感じていませんでした。
しかし、自分が強みでも何でもない、「業務上の当然のこと」と思っていたことが、他の人には強みに見えるという事を、事業計画書作成の過程やセミナー参加で教えていただきました。
これは不妊治療相談に限らず、どんな相談の場面でも感じることです。
第三者に話すことで、まったく違う見方が出てくる。
私も今回、その体験をしました。
2. 私の「強み」についての気づき
自分のキャリアの棚卸をして、自分の「強み」について考えた時。
それは、人生の中の成功体験で得られるものだと思っていましたが、私の場合は「大変だったあの頃」にありました。
30代のころに、大学病院での生殖医療部門の立ち上げに参加しました。
振り返ると、人手が足りなくて積極的にかかわった様々なことが、私の胚培養士としての知識や経験に幅を持たせてくれていました。
私がオンラインカウンセリングを始めて、どんな内容のご相談にも対応できたのは、この時の経験が大きいことに、相談を受ける中で気づきました。
さらに、胚培養士であるからこそできるカウンセリングがあるということも、利用者さまとの相談を通して感じましたね。
ただ、こんな貴重な経験をさせてくれたのも、国家医療資格もない私に、寛容に接してくださった、大学病院時代の産科・婦人科の諸先生方やコメディカルの皆様のおかげだと、
いま心から思います。この場を借りて、感謝申し上げます。
特に、H先生、ありがとう。
3. これからは「自分の強み」をシェアする時代
45歳定年、ジョブ型雇用、企業の周落、日本経済の低迷、不安定な世界情勢・・・
私も「手に職をつければ安泰」などと、軽く思っていました。
しかし、実際はものすごい速さで社会は変化していますし、不妊治療をはじめとした生殖医療業界もその対応を迫られ、利用者のニーズも急激に変わってきていることを感じます。
今回の起業セミナーで、胚培養士として働いていては決して出会えなかったであろう、様々な「強み」「スキル」「培った経験」を持たれた方々と出会いました。
〈自分の肩書や所属する組織〉
そういうものを超えて、自分のスキルをシェアしていく「スキルス・シェア」という考え方が、変動する社会でとても重要になると、私は考えています。
柔軟な組織であるほうが、変化にも対応できる。
私が「Reproductive Health Hub」のコンセプトを考えたのは、続けてきたカウンセリングの中で、自治体の相談窓口にも病院にも相談できない内容を抱えている方が多く、その方たちを適切なケアにつなげるHubの役割を担いたいと思ったからです。
大きな組織でやれないことも、私にならできる。
これもスキルス・シェアの一つの形だと考えます。
今回は、私の起業に至るまでのプロセスをご紹介しました。
現在、妊活・不妊治療に向き合う皆さまですが、妊活や不妊治療を頑張る時間というのは、長い人生を考えれば、わりと短い期間ですが、貴重な体験かもしれません。
自分の人生、キャリアを振り返ったときに、自分にはどんな強みが自分にはあって、どんなことにつなげたいんだろう・・・
考えてみませんか?
あなたの強みは?
ある!
ない…
わからない
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